住宅業界に「闇」が出来る理由


「住宅業界」は他業界とはここが違う

多くの企業のビジネスモデルを観察しているとマーケティングや企業について考える機会が多くなります。

住宅業界をみると…、他の業界と異なる点が多いことが分かります。いくつか例を出して考えていきましょう。

  • 零細業者が多い。年間棟数10棟に満たない業者が8割以上。同じく高額商品である自動車業界では、トヨタ自動車を筆頭に大企業ばかり。
  • 住宅業界は「自然淘汰」が進み難い業界。ラーメン屋業界と比較してみると、ラーメン業界は小規模事業者が多いことは同じでも、味の悪いラーメン屋はすぐに「自然淘汰」される。しかし、住宅業界は消費者に「2回目」が無いこと、また口コミも伝わりにくいことで、「自然淘汰」が進まない。結果、劣悪業者が生き残りやすい。
  • 「生産者」と「消費者」が直接取引する。農業と比較してみる。農家と消費者の間には、仲卸(農協、スーパー、市場)などが入り、劣悪な商品は仲卸のところで排除され「消費者」までは届かない。住宅業界は、仲卸が無く、直接取引のため、「目利き役」がおらず、粗悪品が出回りやすい。
  • 商品のライフサイクルが長く商品の評価に時間がかかる、結果として粗悪品でも長期間にわたり販売が継続される、同じく劣悪業者の存在期間も長くなる。
  • 生産者(住宅会社)と消費者(施主)との情報格差が大きい。そのため、消費者が生産者の優劣をつけることが出来ない。
  • 「住宅を買う経験が少ない」「考慮すべき点が多い」「業界内部の関係が外からは分からない」「法律知識が必要」「行政手続きに関することが多い」など、消費者は「適切な選択」をすることが難しい。
  • 住宅業界は「値段や価格がの比較が難しい」。インターネットが普及し、価格コムやアマゾンなど簡単に商品を比較できる。しかし、住宅だけは30年前と変わらず比較が困難。さらに、比較出来ないように大手ハウスメーカーは戦略を取っている。
  • 大手ハウスメーカーの事業戦略は、イメージ戦略を中心にマーケティングが行われている。「商品力を中心とした事業戦略」は営業上は最適とされていない。(例外、一条工務店はCMは行うことなく、商品力(断熱性、設備、災害対応など)をアピールしている)

他業界と比べて、住宅業界の異質です。
購入には、同じ高い買い物である自動車の「何倍も知識が必要で、難しい」と理解しましょう。

注文住宅購入の第一歩は「住宅業界の理解」から始まる。「無知の知」を認識しよう。

宝飾品店に一度も入ったことの無い男性が、婚約指輪を買うときと同じくらい住宅購入は難しい。
男性であればわかる方は多いでしょう。宝飾品店であれこれと聞くのは恥ずかしいが、家の購入では聞くことは恥ずかしくありません。

逆に高度な質問をすれば「ダマしやすい客」とは思われず、良い買い物が出来ることに繋がります。

施主が勉強することは非常に重要です。「住宅業界」を理解し、「購入に多くの知識が必要なこと」を認識するのが注文住宅購入成功の「最初の一歩」、そして勉強し「優良事業者を見つける能力」を養いましょう。

優良事業者は全体の15% 優良事業者に会える確率は、非常に少ない。

何をもって優良事業者であるかは住宅会社や施主の価値観により変わりますが、不適切事業者は存在します。それをまず外す必要がります。

住宅業界では、大手ハウスメーカーであっても不適切業者は数多くいます。特に、「質の悪い営業マン」はノルマのためなら何でもしてくるので大変厄介です。はじめは営業マンには倫理観が無い前提で、「話を疑って聞く」くらいがちょうどよいでしょう。

本当に信頼しても良い営業マンと会社であることが分かってからが、営業マンや住宅会社との家つくりのスタートです。

会社が良い会社でも、規模が大きくなれば、平気でウソをつく営業マンが一定数存在します。ウソをつく営業マンとは納得感のある家つくりは出来ません。ハッキリと営業マンの交代を伝えましょう。施主は、時に毅然とした態度が必要です。

不適格事業者の共通項事例をリストアップしました。見てみましょう。

  • ウソをつく。情報格差を利用してウソをつくのは、住宅会社によっては常態化しています。知らないふりをする、曖昧にして答えた上で、「信用させる」、「安心させる」のはすべての住宅会社で行われています。「大手ハウスメーカーだから安心」は幻想です。大手ハウスメーカーだから安心させて、契約させるのは常套手段です。次の住宅ポエムがその典型例です。
  • 住宅ポエムがある。「マンションポエム」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。「イメージ戦略」のことを言います。住宅にもポエムがあります。
    大手ハウスメーカーのHPを見ても、専門家から見れば不可思議な説明堂々とされています。残念ですが、私の建築した一条工務店でも「数字上だけの資料」を出しています。商品力を売りにしていない他のメーカーはそれ以上にひどい内容もあります。
    営業マンは「売るプロ」であって「家のプロ」ではありません。HPの「不可思議な説明」ですら信じている場合があります。
    つまり、家のことは良く知らないが「とにかく自社の良い点だけ説明する」ように教育されているのです。
  • 住宅ポエム(イメージ戦略)の典型例を挙げてみます。
    最近は、高気密高断熱を謳うことがほとんどです。断熱性能は設計時に計算で出すもので謳うことが可能です。しかし、気密性は、現場で計測するものです。数値の実績を示さずに高気密を謳うことは本来はおかしいことです。
    高気密住宅を望むなら気密測定をしない住宅会社は論外で、候補から外さなければなりません。高気密高断熱を謳うハウスメーカーでコンセントボックスから空気が漏れる映像のあるブログが実際にあります。
    東京の人が「暖かい」と言っていても、「(北極よりも)暖かい」ではダメで、「数値」で示さないと意味がないのです。
    気密性能も数値で示すことが出来ます。一般的にC値1.0㎝2/m2以下とされます。
    知識が無ければ住宅ポエムや営業マンのウソを信用してしまう一例です。
  • 契約に際して不利になる説明はしません。
    不利になる説明は「契約締結後で」が常套手段です。契約後は違約金が発生するので、解約しにくくなります。「不利なことは契約後に説明」が住宅会社にとっては最適解になるのです。
    施主自身が不利益になりそうな部分を知り、契約前に確認しましょう。現在は改正消費者契約法が2019年6月から施行され、やや消費者に有利になりましたが、契約破棄には簡単に応じることは考えにくく、裁判が必要な場合が多く注意が必要です。
    ※消費者契約法の改正について 
    https://www.okuda-lawyer.com/shouhisyakeiyakuhou/ 出典:おくだ総合法律事務所
  • 消費者の見えないところでコストダウン。値引き交渉について、地元の工務店では値引き交渉はあまりお勧めできません。わからないところでコストダウンしている可能性もあります。また、大手ハウスメーカーはもともと値引き額を織り込んで価格設定しているので見積書の段階から価格上乗せされています。元値は過大に上乗せられた値段であること、見せかけの値引きであることを認識しましょう。値引き交渉の無い住宅会社で建築することがリスクが少ないといえます。
  • 完全歩合制の営業マン。住宅業界には完全歩合制の営業マンがいます。一棟契約とれば○百万、取れなければタダ働きです。この完全歩合営業マンの目的は「契約締結」です。
    契約締結が優先され、「顧客第一主義でない契約」となる可能性があります。
    営業マンは、契約さえすれば、多少のウソも言いくるめることが出来ることを知っています。
    また、裁判で、「消費者は完全勝訴がほぼ出来ない」ことを知っています。
    建築裁判では「最高裁まで争う」のが通例で、これは、消費者が裁判しても金銭的に損害を被ることを見越しているからです。結果として施主は裁判を起こすことを躊躇するため、「裁判を起こさせないための」戦略と言われます。
    上記の改正消費者契約法により住宅営業の方法が変わる可能性がありますが、消費者が無知であれば変わらないでしょう。
    以上、不適格事業者の事例です。

不適切な事業者、営業マン

不適格事業者の話を多くしましたが、優良事業者はもちろん存在します。消費者は「優良事業者を見分けるための勉強」をする必要があるのです。大手ハウスメーカー=「優良事業者」とは限りません。CMをバンバン流している大手企業でも悪い業者が存在しています。それが「住宅業界の闇」でもあります。

ただし、新築購入をためらう必要はありません。納得感の高い家の購入は、これほど幸せなことは有りません。怖がることなく、夢のマイホームに向かい勉強しましょう。

「住宅業界の闇」を避けるには「知識」

私は、施主のお役に立てられるよう、最大限の良質な情報を提供していきます。
施主が勉強すれば、不適切な業者は駆逐され、優良な住宅供給事業者が増えることになります。
日本の住宅は遅れていると言われますが、施主が勉強することにより、納得感の高い家を購入することが出来るようになります。ひいては日本の住環境が改善することになれば、これほど素晴らしいことは有りません。

以前も書いたことがありますが、私がこのサイトを作ったのは自身の経験からです。大手ハウスメーカーで契約しトラブルになりました。大げさでなくそこで「人生が終わる」とも。

「CMしてるよね」「大手だから安心」とは思ってはいけません。悪質な営業活動する営業マンもいます、またそれを放置したままにしているのも大手ハウスメーカーです。

大手ハウスメーカーだから安心などとは考えず、「知識」を付けましょう。そうすれば自然に優良事業者を発見する「眼力」がつきます。


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