営業マンの報酬について


営業マンはお金持ち?

住宅メーカーの営業マンの給料は良いってたまに聞きますね。
人様の懐具合気にしていても自分の懐があったかくなるわけではないのでどうでもいいんです…

でも給料の良し悪しではなく、報酬制度によって住宅購入には影響が出るのでそこを考えてみます。

一応前提として…、
この話は「性悪説」に立った考え方です。実際には良心的な営業マンも多いのでコラムくらいな感じで読んでいただけるといいかと思います。

営業マンはお金持ち?の問いに関しては、お金落ちもいるし、そうでない人もいるでしょう、まあどっちでもいいです。
私の担当の営業マンは、ほぼ間違いなくお金持ちではないですが…。

報酬制度

住宅営業マンの報酬制度は「成果報酬」が原則です。正社員の給与ではざっくりと3つ考えます。
・基本給
・成約報酬
・顧客満足度に応じた報酬
シンプルにするためにこの3つだけ考えましょう。

基本給は一般的な企業と比べて少なめでしょう、その代わりに成約報酬の割合が高いです。顧客満足度に応じた報酬については企業姿勢により変わるでしょう。

一般的なサラリーマンでは基本給がありますが、ハウスメーカーでは比率は少なくなります。
ハウスメーカーによっては営業部門を外注化しているところすらあります。代理店営業マンだとか、成果報酬型(フルコミッション)営業マンと言われるものです。ハウスメーカーにとっての利点は、正社員ではないので基本給、福利厚生、社会保険などの費用がかからないということですね。
極端な成果報酬制度と言えます。

営業の外注化(代理店や成果報酬型営業)は、少し難しい言葉で言うと、「固定費の変動費化」と言えます。
よくわからない!と思われるかもしれませんが、企業側にとっては「売り上げが減っても損しにくい」、「売り上げ増加によって伴う費用が増える仕組み」と理解すればよいかもしれません。企業にはリスクが少なくなる仕組みです。

成果報酬って?

住宅営業は成果報酬型給与と言いましたが、成果報酬の長所と短所を企業側の視点から挙げてみます。
【長所】
・従業員のモチベーションが上がる(=契約が取れるように頑張る)
・人件費負担リスクを回避できる(上記の固定費の変動費化)
【短所】
・短期的利益を追求しやすい(=契約優先、顧客軽視)
・中長期的な課題への取り組みがおろそかになる(全社の課題への行動の動機付けが少ない)
・個人主義になりやすい
・個人の潜在的能力に対する評価ではない

成果報酬制度に対して、
広く日本で採用されているのは「能力主義的人事制度」です。個人の「職務遂行能力」を重視する(「能力」と「成果)は別です)給与体系です。個人の売上だけ上げればいいのではないよ!ということです。

成果報酬制度と能力主義的人事制度は長所短所がそれぞれ逆になっています。

企業経営として、どっちが正解かはありません。日本では能力主義的人事制度が一般的でしたが、成果報酬制度が広く採用されるようになってきていますし、逆に成果報酬制度の短所も指摘されるようになっています。

企業の事業特性に合わせてそれぞれの企業が最適な人事評価制度を採用することで企業の発展につながるでしょう。

成果報酬が住宅購入者に与える悪影響

成果報酬が住宅購入に与える悪影響は…。

成果報酬は契約、売上、利幅などによって給与が変動するので、営業マンの意識は、どうしても契約を取ること(売上、利幅をあげること)に向かいます。結果、契約につながりやすい行動が促進されます。
「今月だけ100万値引けます」や「上司から特別な決済をもらえました」などの早期契約を促す場合や、見積もり金額の外構費用を極端に低く見積もるなどはその例です。
家は立派なのに、外構工事がほとんどされず、みすぼらしい外観のまま立っている有名ハウスメーカーの住宅も街歩きするとよく目にしますが、「低く見積もられた資金計画書にだまされた結果」でしょう。

住宅購入者は、「営業マンは成果報酬で契約を取ることで給与が発生する」ことを理解した上で、冷静な判断が必要ということになります。

理想論

ここからは少し理想論を。

企業経営は、顧客満足の上に成り立たなければなりません。本来、従業員の給与制度がどのようなものであれ同じです。しかし、住宅のように継続的な購入でない場合は、顧客満足が次の購入のつながるわけではないため、顧客満足は後回しにされがちです。

理想論で言えば、営業マンの給与は、顧客満足度に応じた成果報酬が重視されなければなりません(現在も一部ありますが、十分に機能していない場合が多い)。住宅は購入後数十年にわたり住み続け、それが顧客満足につながるため、10年後、20年後の顧客満足度が給与に反映されるのが理想でしょう。

もちろん、理想論です。10年後、20年後にその営業マンが企業に残っている保証はありませんし、年金のように企業に積み立てるような放漫経営を行うことも論外です。

住宅は、「支払い時期」と「受益の時期」がズレているため顧客満足度を基準とした報酬制度を作れないのですね。
だから、住宅購入者はしっかりと勉強して住宅購入を決断しましょう。

以上、コラムでした。


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