「差別化」戦略の考え方

  • 2020年11月20日
  • 2020年11月22日
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ツイッターで他社と「差別化」の努力をしていますか?という趣旨の質問をさせて頂きました。3名の方のみですが回答いただきました。ありがとうございました。

どのような事業でも、競争相手はおり、他社に対して差別化が必要なのは言うまでもないでしょう。ただ、差別化では漠然としているので一つの用語「価値連鎖(バリューチェーン)」という言葉で考えてみます。

価値連鎖

差別化(による収入拡大)や低コスト化(による費用削減)によって高い収益性を確保するためには、企業活動の機能を整理、理解する必要があります。
その考え方の補助となるのが「価値連鎖」です。

価値連鎖とは
事業活動を機能ごとに分解し、どの部分(機能)で価値(差別化や低コスト)が生み出されるのか、どの部分に強み・弱みがあるのかを分析するものです。そして、競争優位の源泉を定め、企業全体として顧客に活を提供できるように活動を連結したものです。

主活動と支援活動

企業の価値連鎖は、主活動と支援活動からなります。
主活動は
製品やサービスを顧客に提供することそのものに直接的に関わる活動を言います。具体的には、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスなどがあります。

支援活動は
製品やサービスを提供する活動には直接関与しないものの、主活動を遂行していくためには不可欠になる活動です。具体的には、全般管理、人事・労務、技術開発、調達活動などがあります。

こうした一連の活動の結果として利益が生み出されます。

競争優位の持続性

価値連鎖の中での一部分の活動だけが差別化や低コストを実現していても、それだけでは有効性は高くありません。企業全体の活動が相互に連結されてはじめてその価値を顧客にまで届けることが出来るからです。
逆に、「全体として連結」されたうえで提供された価値であれば、競合他社は一部だけでなく、全体を模倣しなくてはならないため、競争優位の持続性を高めることが出来ます。
企業が複数事業を展開している場合には、単一事業での活動の連結にとどまらず、事業間の連結も考慮が必要です。
他の事業間での価値連鎖が機能する場合を、シナジー効果といい、より一層他社の模倣が困難になり競争優位性の維持につながります。

分析

上述の通りですが、まず行うべきは
「事業活動を機能ごとに分解し、どの部分(機能)で価値(差別化や低コスト化)が生み出されているのか、どの部分に強み・弱みがあるのかを認識することです。
認識した上で、強みは維持・強化する対策を、弱みは改善する対策を打つことになります。その中で他の機能と整合性を持ちつつ価値連鎖の最適化を行っていく必要があります。

自社について分析するのは意外と難しいと感じるかもしれません。
そのようなときは競合他社について分析してみたり、良く名の知れた優良企業(トヨタ自動車など)について分析してみることにより分析力をつけることが出来、自社の分析にも有用となります。

工務店の差別化戦略

工務店とハウスメーカーは、同じ住宅を供給する事業ですが、ビジネスモデルが全く違っています。価値連鎖も違っています。
結果、生み出される強み、弱みは異なってきます。対ハウスメーカーと考えた場合にどのような点が強みになり、どの様な点が弱みになるのかを認識することです。
その上で自社の価値連鎖の中から生み出せる、または価値連鎖を作り出せる競争優位はどのようなものであるのかを認識し変革していく必要があります。

・設計施工に強みがあるが、販売でその強みを伝えられていない。このような場合、設計・施工とマーケティングの連結がうまくいっておらず、顧客に対して強みを生かし切れていないと言えます。
・独自の調達先を確保していても設計が建材の良さを生かしきれない
・営業力に強みがあるが施工が不安定で営業力を棄損していく
・営業から設計施工までの全般管理に問題がある
・全般管理が機能せず、問題点の適切な把握、改善が進まない

価値連鎖の機能を細分化し分析していくに従って、問題点がより具体的になり、解決すべき課題が浮き彫りになります。細分化していけばしていくほど対応が容易なものが多くなってきます(代りに数が多くなります)。

企業活動では、外部環境や内部環境は刻々と変化し続けます。そして企業は、強いものが生き残るのではなく、変化に対応するものが生き残ります。

今回は、価値連鎖の考え方で競争優位を考える、でした。
考え方を知っていると、一旦立ち止まって問題点の整理や改善策を考えやすくなります。一度取り入れてみてはいかがでしょうか。

コラム

最近、地域工務店がYOUTUBEで発信を行う例が増えてきています。
これは、もともと設計施工に優れるが、その良さを伝える手段が少なく、潜在顧客に対してのアプローチ力が弱く、その結果強みである設計施工力を十分に発揮しきれていなかった工務店が多かった、と言えます。

これも一つの価値連鎖がうまく機能していなかった事例です。
今後は、優良工務店においては、自らのメディアを持ち発信していくことにより潜在顧客とのパイプが出来、強みを一層強化することが出来るでしょう。

一方で、顧客に対してアピールできる強みの無い事業者は、顧客からの選別の対象になりやすく、事業環境が厳しくなるとも言えます。

ちなみに、現在動画発信を行っている工務店には、高品質高単価な事業者が多く、広い潜在顧客のニーズをカバーしているとは言えません。今後は、より多様性のある事業者(特に低価格帯)の発信により消費者が住宅購入を行いやすくなる環境が出来ると思われます。


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